飲食店などの店舗をスタートさせるのに最適なコンテナハウスですが、基本的には、規格サイズがあります。「決まったサイズしかないなら自由に広さは選べないの?」と思う方もいるかもしれませんが、それは誤解です。
今回は、コンテナハウスのサイズや費用感に加え、コンテナハウスの大きさやプレハブとの違い、自由な広さにできるコンテナハウスの使用例を紹介します。
目次
コンテナハウスの大きさは?
コンテナハウスに興味があっても、「コンテナ=狭い」というイメージがあり、店舗利用に不安を感じる方も多いでしょう。そこでまずは、コンテナハウスの大きさについて解説します。
基本的な大きさは2種類
コンテナハウスの基本的なサイズは、20フィートと40フィートの2種類です。「フィート」と聞いても日本人には馴染みがなく、具体的にイメージしにくいでしょう。以下にそれぞれのサイズをまとめました。
20フィート | 40フィート | |
長さ | 6.058メートル | 12.192メートル |
幅 | 2.438メートル | 2.438メートル |
高さ | 2.591メートル | 2.591メートル |
面積 | 14.2平方メートル | 29.7平方メートル |
坪 | 4.29坪 | 8.9坪 |
畳 | 7.7畳 | 16.2畳 |
基本的な大きさが定められている理由
コンテナハウスの基本の大きさが20フィート・40フィートの2種類であるルーツは、海上輸送用コンテナです。
海上輸送用コンテナは、国際規格(ISO規格)によって20フィートと40フィートにするよう定められています。世界共通で同じサイズのコンテナを使うことで、輸送時のコストを下げることを目的としています。
コンテナハウスは輸送用コンテナをもとに作られているものであるため、基本的な大きさも輸送用コンテナに準じているのです。
その他の大きさのコンテナハウス
コンテナハウスは海上輸送用コンテナのサイズを基準としていますが、あくまでも規格サイズであり、10フィート、12フィート、31フィートなどのサイズを用意している会社もあります。
ただし、コンテナハウスを輸送するときには、規格サイズである20フィート・40フィートに合わせなくてはなりません。基本サイズに合わせるために、ジョイントも別で用意する必要があります。
サイズ別コンテナハウスの費用
コンテナハウスの費用は、サイズによって異なります。また、中古か新品かによっても価格は変動しますが、一般的な価格相場は以下の通りです。
12フィート | 16万円~ |
20フィート | 18万円~ |
40フィート | 28万円~ |
ただし、この費用はコンテナ本体のみの相場であり、店舗やオフィスとして利用する場合は、基礎工事や内装なども入るため300万円程度の初期費用がかかります。
また、外壁材やドア、サッシなどにもこだわると、費用は大きくなるでしょう。特に店舗として利用する場合は、内外装デザインにこだわる方も多いため、複数社の見積もりを取って費用を確認しておくと安心です。
さらに、業者によっては、輸送費でも大きく費用がかかる場合があります。細かく見積もりの内訳や仕様書を発行してくれる業者であれば、何にいくら費用がかかっているのかが明確になるでしょう。
コンテナハウスとプレハブの違い
コンテナハウスとプレハブを、同じようなものだと思っている方もいるかもしれません。しかし、コンテナハウスとプレハブはどちらも工場で生産され、現場で組み立てられる建築物ですが、大きな違いがいくつかあります。
それぞれの特徴を把握して、どちらが自分の希望に合うのかを考えてみましょう。
コンテナハウス
コンテナハウスの多くは海上輸送用コンテナを再利用、または模倣した重量鉄骨造の建築物であり、頑丈で耐久性が高いのが特徴です。大雪や塩害などにも強く、きちんとメンテナンスしながら使えば40年はもつといわれています。
また、プレハブに比べてデザインの自由度が高く、窓やドアなどを希望の位置に設置できるのも魅力です。断熱性・防音性もプレハブより高いため、事務所や店舗としての利用にも向いています。
ただし、コンテナとして組み上がった状態で運ばれるため、設置場所までコンテナを載せたトラックが通れる経路を確保しなくてはなりません。また、四角い箱型であるため、特殊な形状の土地などでは設置が困難というデメリットもあります。
プレハブ
プレハブは、パーツや建物の一部を工場で生産して現地に運び、組み立てる建築物です。工場で大量生産したパーツを使うので、コストを抑えやすいというメリットがあります。
また、パーツの状態で運べるため、資材運搬用のトラックが入れるところであれば、設置場所周辺の道幅が多少狭くても施工可能です。
しかし、軽量鉄骨造で比較的軽量であるため、コンテナハウスと比べると壁の厚みが薄いというデメリットがあります。
その分耐久性がコンテナハウスよりも低めで、雪や海の塩の影響を受けやすい地域で使用すると、さらに耐久性が下がるといわれています。断熱性や防音性もコンテナハウスよりも低めです。
大量生産品で作るのでデザインの自由度も低く、商業用での利用には向かないかもしれません。
自由な広さに!コンテナハウスの使用例
コンテナサイズには規格サイズが2種類あると紹介しましたが、使い方によっては自由な広さを確保できます。
規格サイズよりも広いスペースがほしいと思っている方は、ぜひこれから紹介する使用例を参考にしてみてください。
コンテナを組み合わせてより広い空間に
四角い箱のコンテナをいくつか組み合わせれば、自由に広い空間を確保できます。イメージとしては、コンテナを並べて、くっついている壁を取り除き、ひとつの空間を作る方法です。壁を取り除くことで、コンテナからコンテナへ自由に行き来できます。
壁を取り除くと、その分コンテナハウスにダメージがあるのではないかと心配する方も多いかもしれませんが、強度が損なわれることはありません。
しかし、注意点がひとつだけあります。それは、柱梁が連結部分から見えてしまうことです。オフィスとして利用する方はあまり気にならないかもしれませんが、店舗として利用しようと考える方は、少し気になるかもしれません。
柱梁をセンスの良いデザインのひとつと捉えられるか、マイナスに捉えられるかは、全体のデザインにもよります。店舗を構える際は、柱梁が見えることを見据えて、全体の仕上がりをイメージしてみましょう。
2階建てや3階建てにすることも
コンテナハウスを設置する土地によっては、それほどスペースがなく、広いスペースを確保したいけれど横にコンテナを並べるのは難しい場合もあるでしょう。そんなときは、コンテナを積んで2階建てや3階建てにすると、スペースが広げられます。
コンテナハウスに使用できる建築専用のコンテナは高い強度をもつため、縦に組み合わせることもできます。
コンテナハウスを店舗として使用する場合は、1階を店舗として使って2階を倉庫や在庫スペースにするなど、上下で使い分けをするのも良いでしょう。
コンテナハウスを活用したオシャレな店舗作りについては以下の記事でも詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
コンテナハウスで飲食店を開業する際の注意点
コンテナハウスは、内外装やスペースを自由に設計できることから、飲食店をスタートさせるのにも向いています。
しかし、飲食店を開業する際には、注意しておかなければならない事項もありますので、あらかじめ知っておきましょう。
スペースを有効活用する
飲食店を開業する場合は、小規模のスペースから始めたいという方も多いでしょう。コンテナハウスのサイズが小さければ、その分、初期費用も安く抑えることもできます。
しかし、20フィートほどの小さなコンテナハウスで飲食店をはじめる場合には、無駄なスペースを作らないように空間を有効活用する必要があります。
飲食店では、テーブルやイスなどお客さんが座るスペースのほかに、調理スペースはもちろん、お手洗いのスペースも考えなければなりません。
営業に必要な設備を入れて、どれくらいのスペースが確保できるか、しっかりと検討する必要があります。
飲食店に必要な条件を満たす
コンテナハウスで飲食店を開業するときには、通常の飲食店と同様に、食品衛生責任者の資格が必須です。また、30人以上の収容規模である場合には、防火管理者の選定もしなければなりません。
手軽に飲食店を開業できるとはいえ、食品営業許可申請や開業届など、基本的な届け出などは、通常の飲食店と同じ基準であるため、開業前に何が必要かを調べて準備しておきましょう。
飲食店開業に際し必要な資格などについては、以下の記事でも詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
まとめ
コンテナハウスの大きさは、国際規格(ISO規格)によって20フィート・40フィートの2サイズが主流です。とはいえ他のサイズも存在し、また組み合わせによっては自由に広さを変えられます。飲食店を開業するときにも、自由に設計できるコンテナハウスはとても有効な手段です。
しかし、基礎工事や輸送費も入ると、300万円以上初期費用がかかるので、費用をできるだけ抑えたいという場合は、HIRAKELレンタルを検討してみましょう。