コンテナハウスでの店舗や事務所の開業を検討している方にとって、「断熱性」は重要な要素です。「夏は暑く冬は寒いのでは?」と不安を抱えている方も多いでしょう。今回は、気になるコンテナハウスの断熱性能から工事方法、費用相場まで詳しく解説します。
目次
コンテナハウスの断熱性はどれくらい?
コンテナハウスは、もともと貨物輸送に使われる鋼鉄製の箱を活用してつくられる建築物です。そのため、外壁や屋根はすべて金属で構成されており、熱伝導率が高い特性があります。断熱工事をしなければ外気温の影響をダイレクトに受けるため、「夏は暑く冬は寒い」状態となります。
また、金属は温度差によって結露が生じやすく、木造住宅に比べて室内の湿度管理が難しくなることもあります。
しかし、適切な断熱材を選びしっかりと断熱施工を行えば、重量鉄骨造の住宅やマンションと同じようにコンテナハウスでも十分に快適な室内環境を実現できます。
店舗や事務所として快適に利用するためには、適切な断熱対策が必要不可欠です。お客様に快適な空間を提供し、スタッフの働きやすい環境を整えるためにも、断熱工事は欠かせない投資といえるでしょう。
コンテナハウスの断熱工事の方法
コンテナハウスの断熱工事には、主に4つの工法があります。それぞれの特徴とメリット・デメリットを理解し、予算や用途に応じて最適な工法を選択しましょう。
工法1|発泡ポリウレタンフォームによる吹付断熱
発泡プラスチック系の「発泡ポリウレタンフォーム」を、専用のスプレーフォームガンでコンテナの内壁に直接吹き付けて断熱する方法です。
発泡ポリウレタンフォームによる吹付断熱は断熱性能に最も優れた施工法とされており、高い気密性を実現できます。コンテナの鉄板がすっぽりと内側から覆われて空気と触れることがなくなるため、内断熱の欠点である結露の心配もありません。
ただし、小規模な店舗や事務所でこの工法を採用する場合、コストが割高になってしまうデメリットがあります。多少費用が高くなっても、細部までしっかりと断熱対策を行いたい場合におすすめの工法です。
工法2|外壁断熱
外壁断熱は、建物の外側に断熱材を密着させ、その上に外装パネルなどの仕上げ材を取り付ける工法です。コンテナ本体の外側で断熱層を形成するため、外気との直接的な温度差が遮断され、内部空間を快適に保ちやすくなります。
外側を断熱材で覆う工法のため、結露が発生しにくく、断熱や気密処理が容易になるのが大きなメリットです。施工の自由度も高く、断熱性能を追求する方には向いています。
最大のデメリットは、コンテナの特徴的でオシャレな外観が断熱材と仕上げ材で隠れてしまうことです。また、材料費や施工手間が増えるため、費用が高くなりやすく、シロアリなどの外的要因への対策も必要になるケースがあります。
工法3|内断熱
最もメジャーな方法で、多くの工事会社が内断熱を採用しています。建物の内側で、壁の中や柱と筋交いの間などにグラスウールやウレタンフォームなどの断熱材を充填し、断熱層を形成する方法です。
内断熱は断熱性能だけでなく経済性にも優れており、外壁断熱と比較して工事費を安く抑えられます。また、ほとんどの断熱材を使用できるため、コストダウンが図りやすいのも特徴です。
一方で、内部の空間がやや狭くなってしまう、湿気がたまりやすい、結露が発生しやすいなどのデメリットもあります。内断熱のみにこだわるよりも、以下で紹介するような外壁断熱との併用でより効果的な断熱対策が可能になります。
工法4|内断熱と外壁断熱のハイブリッド
内断熱と外壁断熱の両方を組み合わせるハイブリッド断熱は、断熱性能を最大限に高めたい方におすすめの工法です。コンテナハウスの内側と外側、両方から断熱材で囲むことで、気密性、断熱性、結露防止性能、さらには防音性や省エネ性能まで多方面で効果を発揮します。
デメリットとしては、施工の工程が複雑で手間がかかること、そしてコストが他の工法に比べて高くなる点があげられます。しかし、快適な空間を維持したい、またランニングコストを抑えたい方には、初期費用をかける価値のある選択肢といえるでしょう。
コンテナハウスの断熱工事の費用相場
断熱工事の相場は、工事の種類やコンテナのサイズによって大きく変わります。開業予算を立てる際の参考として、具体的な相場をご紹介します。
断熱方法別の費用
断熱工事で使用される断熱材にはいくつか種類があり、それぞれコストや性能が異なります。以下に1㎡あたりの一般的な費用相場を紹介します。
・発泡ポリウレタンフォームによる吹付断熱:1万円~2万円
・外壁断熱:1万5,000円~3万円
・内断熱:5,000円~1万円
発泡ポリウレタンフォームによる吹付断熱と外壁断熱は、断熱性能が高く優秀な工法ですが、施工の難易度が高く、材料費も高価になります。一方、施工の難易度が比較的低い内断熱は、材料費が安価なため、開業コストを抑えて断熱工事を行うことができます。
「店舗内の快適性を最重視したい」のか「費用を抑えてコンテナハウスを活用したい」のかなど、開業の目的や予算に応じて工法を選ぶことが大切です。
コンテナハウスのサイズ別の費用
コンテナのサイズが大きくなるほど断熱材の使用量が増えるため、断熱費用は高くなりやすい傾向があります。また、断熱工事の価格は施工業者によっても異なります。以下の表は費用の目安です。
コンテナハウスのサイズ | 断熱工事費用 |
10フィート | 5万円~10万円程度 |
20フィート | 10万円~20万円程度 |
40フィート | 20万円~40万円程度 |
20フィートコンテナは小規模なカフェや美容室、事務所に適したサイズで、断熱費用も比較的抑えられます。40フィートコンテナはレストランや大型店舗に適していますが、その分断熱費用も高くなります。
まとめ
コンテナハウスは適切な断熱工事により、一般建築物と同等の快適性を実現できます。工法は4種類あり、予算や環境に応じて選択可能です。断熱対策は光熱費削減や顧客満足度向上につながる重要な投資です。まずはコンテナハウス専門業者に相談し、理想の店舗・事務所空間を実現しましょう。
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