
店舗開業にあたってよくある悩みのひとつが、初期費用が膨れ上がってしまうことです。一から店舗を建てるにはまとまった資金が必要で、開業することにハードルの高さを感じる方もいるでしょう。しかし、ユニットハウスをレンタルすれば初期費用を大幅に節約でき、低リスクで店舗を開業できます。
今回は、ユニットハウスのレンタル費用やレンタルする際の注意点、開業までの流れを紹介します。
目次
ユニットハウスとは

ユニットハウスとは、工場で8割ほど完成させた状態で運んで設置する、プレハブ工法の建築物です。簡素な箱状のデザインで、自宅の離れや趣味部屋、バイク保管庫、工事現場の事務所兼休憩所、店舗など、さまざまな目的で使用されています。
一般的なサイズは1~5坪程度といわれていますが、広さが足りない場合はいくつかのユニットハウスを連結することも可能です。また、ユニットハウスには、次のような特徴もあります。
特徴1|耐久性に優れている
プレハブ工法で作る簡素なユニットハウスは、耐久性が低そうだと思う方もいるかもしれません。しかし、集合住宅やオフィスビルなどで用いられることが多い、「ラーメン構造」で建てられるため、プレハブハウスよりも耐久性が高いのが特徴です。
ラーメン構造とは、柱と梁を溶接して作った枠で、建物全体を支える構造を指します。耐震性も比較的高く、仮設住宅としても利用可能です。
特徴2|ライフラインを設置できる
ユニットハウスは、一般的な住宅と比較すると断熱性が劣ります。しかし、水道や電気などのライフラインが引けるので、事務所や店舗などとしても快適に使用できます。
ライフラインの設置はユニットハウスの設置とは別で費用がかかるので、総額がいくらくらいになるのか見積もりを出してもらいましょう。
ユニットハウスのレンタルでかかる料金目安
ユニットハウスをレンタルする際にかかる費用には、レンタル費用(毎月or毎日)、基本管理費用(初月のみ)、運搬費用があります。ユニットハウスを返却する際には、撤去費用も発生します。
また、ユニットハウスのタイプやサイズ、具体的な料金や費用はレンタルする業者によって異なるため、業者に確認しましょう。
「ある程度の費用相場を把握しておきたい」という方のために、サイズ別と必要な設備別の料金の目安を紹介します。
なお、「レンタル」と「リース」は、いずれも何かしらの物を借りるサービスを指しますが、内容がやや異なる点に注意が必要です。
一般的に、レンタルは短期的に物を借りるサービスを指します。途中解約も可能で、保守・修繕義務はレンタル会社が負います。
一方、リースは中長期で物を借りるサービスを指します。契約期間中の途中解約はできず、どうしても解約しなくてはならない場合は違約金を請求されることも少なくありません。どちらが希望に合うかをよく検討した上で、契約を結びましょう。
サイズ別の料金目安
ユニットハウスのサイズ別の料金目安は、以下の通りです。
| サイズ | 基本価格(初月) | レンタル価格 |
| 2坪 | 10,000~18,000円 | 12,000~15,000円 |
| 3坪 | 10,500~20,000円 | 13,500~18,000円 |
| 4坪 | 11,000~25,000円 | 15,000~21,000円 |
必要な設備別の料金目安
エアコンやトイレなどの設備を付けると、その分料金が高くなります。主な設備別の料金目安は次の通りです。
| 設備 | 基本価格(初月) | レンタル価格 |
| エアコン | - | +8,000~10,000円 |
| 水洗トイレ | 20,000~35,000円 | 13,000~15,000円 |
| キッチン・給湯室 | 6,000~15,000円 | 3,000~6,000円 |
なお、ユニットハウスの納品時とレンタル終了後は、運搬や撤去の費用が発生します。費用は、レンタル会社や運搬距離、ユニットハウスのサイズなどによって変動するため、事前に確認しておきましょう。
また、納品や改修の際に事前情報と周辺環境が変わっている場合、追加料金が発生する場合があります。納品時と撤去時で運搬費用が変わることもあるので、細かく確認することが大切です。
ユニットハウスをレンタルするメリット

店舗を開業するにあたって、建物を一から建築するか、ユニットハウスをレンタルするか、購入するかなど、迷う方も多いでしょう。ここでは、ユニットハウスをレンタルするメリットを3つ紹介します。
まとまった資金が必要ない
ユニットハウスをレンタルすることで初期費用を大幅に抑えられます。初期費用を抑えることで、商品の開発や宣伝・広告、人材獲得など、ビジネスの成長に関わる部分にお金をかけられます。またレンタルであれば固定資産税もかかりません。
すぐに利用できる
ユニットハウスは工場で作られて完成した状態で現地に運ぶため、施工期間は1日程度で済みます。すぐに店舗を開業できれば、競合他社よりも先に製品やサービスを提供でき、顧客の早期獲得につながります。
お試しで開業できる
ビジネスにおいて立地の良さは収益に大きく関わる要素であることから、慎重に検討する必要があります。とはいえ、実際に開業してみないとどのくらいの収益が見込めるのかを正確に把握できないでしょう。
ユニットハウスのレンタルであれば初期費用を低く抑えられるため、お試しで開業できます。収益が見込めない場合にはすぐに返却し、別の地域でお試し開業するのも良いでしょう。そうして自分の目で収益性の高い地域を選定できます。
ユニットハウスをレンタルするデメリット
ユニットハウスをレンタルするのはメリットばかりではありません。ここで紹介するデメリットも押さえておきましょう。
設置場所が限られる
ユニットハウスは工場で組み立てた後、完成した状態で現地に運びます。運ぶ車両は基本的にユニック車(クレーンが付いたトラック)で、この大型車両が入れる場所でないと設置できません。
またユニットハウスはクレーンで吊って設置することになるため、電線がある場所や室内高の低い建物内などに設置するのは難しくなります。どこでも設置できるわけではない点に注意しましょう。
長期レンタルは購入よりも高くなる
ユニットハウスをレンタルすれば、毎月あるいは毎日のレンタル料がかかり、長期間レンタルしていると購入するよりも費用が高くなる場合があります。
ランニングコストを抑えたい場合は、レンタル期間中の早い段階で、ユニットハウスの購入を視野に入れたほうが良いでしょう。
デザインやレイアウトに制限がある
基本的にユニットハウスには規格が決められているため、デザインやレイアウトは自由に変更できません。レンタルする際には、「思っていたより狭かった」「設備を置けるスペースがない」といったことにならないよう、スペースや動線を考慮しつつ製品を選びましょう。
ユニットハウスとプレハブハウスの違い

ユニットハウスとプレハブハウスは見た目が似ていることから、混同されるケースも少なくありません。以下は、ユニットハウスとプレハブハウスの違いを表にしたものです。
| ユニットハウス | プレハブハウス | |
| 工期 | 約1日(雨天決行) | 約7〜10日(天候によりスケジュール変更あり) |
| 付帯工事(コンセント、換気扇、照明) | 不要 | 必要 |
| 工事費用 | 安い | 高い |
| 設置できる場所 | 4〜10tのトラッククレーン車が入れる場所のみ | 材料を搬入できればどこでも設置できる |
| ハウスの高さ | 2m70cmまで | 自由に変更可能 |
ユニットハウスとプレハブハウスは別物ですが、店舗運営においてはどちらも有効です。ただし、プレハブハウスは現地でパーツを組み立てて設置するため、人件費や設置費用が膨らむ可能性があります。そのため費用を最小限にしてお試しで開業したい方には、ユニットハウスが適しているでしょう。
プレハブハウスについては以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
ユニットハウスをレンタルして店舗開業するまでの流れ

店舗開業の経験がない方だと、ユニットハウスでどのように開業するのかイメージがしにくいのではないでしょうか。ここでは、ユニットハウスをレンタルして店舗を開業するまでの流れを5つのステップに分けて紹介します。
1.開業する場所(設置場所)を決める
まずは出店場所を決めます。出店場所は収益を大きく左右するため、地域に住んでいる方の属性や人通りの多さ、近隣の競合店の状況など、複合的な観点で出店場所を精査しましょう。加えて、ユニットハウスが設置できる場所であるかどうかも確認してみてください。
2.ユニットハウスを選定する
一口にユニットハウスといっても、さまざまな種類があります。店舗のコンセプトに合ったレイアウト、必要なスペースなどを検討して、レンタルするユニットハウスを選びましょう。
3.設置・工事・設備の導入に取り掛かる
ユニットハウスを設置したら、必要な設備を導入して販売スペースや厨房を整えましょう。飲食店であれば、ガステーブル・ガスレンジ、食器棚、コールドテーブル、冷蔵庫などが必要です。
ユニットハウスの中はそれほど広いわけではないため、店舗面積を考慮して必要最小限の設備を選びましょう。
4.建築確認や営業許可の申請をする
店舗開業でユニットハウスを設置する場合は、基本的に建築確認申請が必要となります。これは建物を新築・増築する際に必要となる申請です。
飲食店を開業するのであれば、営業許可証を取得しなければなりません。無許可で営業してしまうと、食品衛生法・風営法違反とみなされ、2年以下の懲役か200万円以下の罰金が課せられるため注意しましょう。
5.集客をする
店舗を開業したら、宣伝をして集客しましょう。お金をかけずに集客するのであれば、SNSの利用がおすすめです。SNSは利用者数が多いため、投稿が魅力的であれば瞬く間に店舗の情報が拡散され、多くの顧客にアプローチできます。
まとめ
店舗開業にあたって初期費用を抑えたい方、お試しで開業したい方は、ユニットハウスをレンタルするのがおすすめです。ただし、設置場所が限られる点には注意しましょう。
設置場所を気にせず、建築確認の手間も省いて開業したい方は、HIRAKELが扱う「ワゴン型屋台」や「コンテナ型店舗」での開業がおすすめです。
HIRAKELレンタルなら、小売店や飲食店の運営に必要な設備を安くレンタルできます。
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他にも営業場所の確保や各種申請手続きなど、店舗開業未経験の方でも安心して始められる開業サポートを行っているので、まずはお気軽にお問い合わせください。


