キッチンカーレンタル事業がコロナ禍で注目を集めている理由とは

新型コロナウイルスの感染拡大から1年以上が経過していますが、3度目の緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が発令された事もあり、飲食店には大きな影響が出ていることは皆さんもご存知の通りかと思います。その中で、以前から飲食店の開業という夢を持っていた方は開業のタイミングの見極めが困難な状況になったと言わざるを得ません。しかし、諦めきれない方も少なくはないはずです。

そこで、今飲食業界に新たなブームが生まれているのをご存じでしょうか?

それが「キッチンカー事業」です。

固定した店舗を持たずに、屋外での飲食やテイクアウトを中心に移動販売を行う形で、自分の店舗を持つことが出来ます。追い風が吹き始めている事業ですので、新たに始めようという動きも活発になっています。

今回はそんなキッチンカー事業が注目されている理由とその実態について掘り下げたいと思います。

1. コロナ禍でキッチンカー事業が選ばれやすい理由

現在コロナ禍で飲食店の営業がかなり厳しい状況にあるのは説明不要かと思います。三密を避けなければいけない点や、酒類の提供が制限されている以上、固定した店舗での営業はかなり難しくなります。

しかし、コロナ対策が必須となったこの時代に適している業態が「キッチンカー」なのです。

ローコストで営業を始められる

これから飲食店の開業を考えている方にキッチンカー事業をオススメする理由として「ローコスト」であることは大きなメリットになると思います。

ある程度長期間の営業を見据えているのであれば、車両自体の購入を検討していると思います。しかし、初めて開業する方や、短期間で試験的に営業してみたいという方にはリースプランやレンタルプランが最適です。

最短1日から長期まで自分の希望に合った期間でレンタル可能で、車両のレンタル料は1日数万円程度である場合が多いです。さらにオプションで営業に必要な設備やなども揃えることが可能ですので、開業のハードルは意外と低いと感じる方も多いかもしれません。

密を避けた営業が可能

近頃は飲食店などで「テイクアウト」という文字を頻繁に見かけるようになり、お店の味を家で楽しむスタイルがスタンダードになってきています。

固定された店舗ではそもそも営業不可となるケースが多いですが、キッチンカーであればお客様との接触はほとんど無く、車両越しに商品をお渡しする形になるため双方にメリットがあると言えます。

実際に新規店舗数は増加傾向にある

東京都福祉保健局の「食品衛生関係事業報告」によると、東京都で営業許可を取得した調理可能な移動販売車の数は少しずつですが年々増加していることが分かります。

やはり、実店舗を構えるのに比べてローコストかつ短期間から始められることで想像よりは比較的気軽に始められることが要因かもしれません。今後もコロナ禍におけるキッチンカーの流行は続くのでしょうか。

参考:東京都福祉保健局「食品衛生関係事業報告」
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shokuhin/foods_archives/publications/foodDygiene/index.html

飲食宅配サービスとは違うメリットがある

キッチンカー事業とは少し違いますが、飲食宅配サービスも今ではスタンダードになってきています。しかし、第三者を挟むと商品のクオリティや衛生面でクレームなどの問題が発生する可能性があります。

飲食宅配サービスは提供エリアが限定されていますが、移動販売であれば車両が設置できる場所であれば全国各地で営業が可能となります。(許可申請等は別途必要)

移動販売でもお客様に出来立ての料理を直接手渡しできるというのはキッチンカーの魅力の一つであり、「またこのお店の料理を食べたい」と思っていただくためのプロモーションに繋がるのではないでしょうか。

2.どのようなプロモーションが必要か

飲食店の営業で集客力を上げるために様々なプロモーションが必要となりますが、それはキッチンカーでも同じです。単に人通りが多い場所で出店するだけではお客様には魅力的なお店に見えていないかもしれません。

ではキッチンカーにおけるプロモーションとは何なのでしょうか。

自慢のメニューだけで勝負してみる

移動販売はイベント会場などで他のキッチンカーと並んで出店する場合が多く、いかに魅力的なメニューを用意できるかが重要です。普段家では食べられないような豪華な料理や、定番の料理であってもこの店でしか味わえないような工夫が必要になってきます。

しかし、キッチンカーの狭い空間での調理になるため、色々なメニューを用意していても収納場所の不足や、調理時間が長くお客様を待たせてしまうような問題があるため、1つのメニューで勝負するというのも可能です。食品ロスの減少や大量購入での仕入れコスト削減も期待できます。

少人数の営業でも回転率を下げない工夫

キッチンカーでは多くの場合、注文を受けてからお渡しするまでお客様を店前で立ちながら待ってもらうことになります。また、車内では1~2人で作業することになるため、短時間で提供できるようなメニューを用意し、オペレーションを簡略化することが重要になってきます。

SNSは積極的に活用する

今やプロモーション戦略として常識になりつつあるSNSですが、キッチンカー事業においても必須です。固定された店舗とは違い、例として下記のような情報発信は基本中の基本と言えます。

・出店場所

・営業時間

・雨天中止のお知らせ

・日替わりメニューの告知

キッチンカーを偶然見かけた物珍しさと屋外の解放感も相まって映えることは間違いないでしょう。そのためにも外観や営業時の雰囲気にも気を使い、拡散してもらえるような店づくりを意識した方が良いかもしれません。

また、お店の情報を共有・拡散すると割引が適用されるなどのキャンペーンが行いやすいというのもメリットです。

3. 社会実験としてキッチンカーを導入する自治体が多い

前述したように、コロナ禍の影響で加速しているキッチンカー事業。実際に社会実験としてキッチンカーの営業を試験的に行っている自治体が昨年から全国的に増加しています。

中でも元々飲食店の少ない郊外での営業が目立ち、メディアにも取り上げられる機会が多くあります。プロモーションの一環として「感染防止、利便性向上、災害時の有効性」などが取り上げられており、有効性が一般的に周知されると今後キッチンカーの営業がお客様にとって一つの食事のスタイルとして定着するかもしれません。

参考:SankeiBiz「キッチンカー社会実験の評判上々、大阪・豊中市内全域に拡大」
https://www.sankeibiz.jp/business/news/210507/bsd2105071348004-n1.htm

参考:新・公民連携最前線「第14回 神戸市:郊外住民と飲食店を支援するキッチンカー実証実験」
https://project.nikkeibp.co.jp/atclppp/PPP/052500076/072700023/?P=1

大手チェーン店も移動販売事業に取り組んでいる

実は移動販売というのは個人で行うようなキッチンカーだけでなく、大手飲食チェーン店も導入していることをご存じでしょうか。車両で移動可能という特性を生かし、店舗の少ない郊外やイベント等で移動販売車事業を行っているのです。

新型コロナウイルスが流行する前から実施されている企業が多いですが、結果として現在はテイクアウト可能な移動販売車として有効なプロモーションとなっています。単純に営業だけでなく地域貢献という形で、今後キッチンカーでの移動販売の可能性はますます広がっていくことが考えられます。

参考:なんば経済新聞「浪速公園に「吉野家」キッチンカー 公園の活性化目的に実証実験」
https://namba.keizai.biz/headline/4612/

参考:カレーハウスCoCo壱番屋「ココイチの出張販売」
https://www.ichibanya.co.jp/catering/

HIRAKELのキッチンカープランはこちら

まとめ

●キッチンカー事業はローコストかつ自分の希望に合ったスタイルでレンタル可能
●デリバリー事業とは違い、お客様への出来立ての料理を直接手渡し可能なのはキッチンカーの魅力
●集客力向上のため、SNSの活用は有効
●地方自治体や飲食チェーン店もキッチンカー事業に注目している

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