キッチンカーの開業に必要な資格は?営業許可の流れや事前準備を解説

キッチンカーはテナントを借りる必要がないうえ、どこにでも移動できるため、遠方やイベントで出店しやすいメリットがあります。手軽に開業できるキッチンカーですが、飲食業にあたる以上、店舗営業と同じくいくつかの資格を取得しておかなくてはなりません。

ここでは、キッチンカーでの開業を検討している方へ、必要な資格や免許について、具体的な取得方法や費用を紹介します。

キッチンカーの開業に必要な資格とは

キッチンカーの開業時には、キッチンカーを運転するための運転免許証はもちろん、食品衛生責任者の資格と保健所の営業許可が必要です。

飲食店とは異なり調理師免許は必要ないため、その分気軽に開業をチャレンジしやすいといえるでしょう。

運転免許証に関しても、普通免許を取得していればキッチンカーで開業することが可能です。

まずは、キッチンカー開業に必要な資格として、運転免許証と食品衛生責任者、保健所の営業許可の3つと覚えておきましょう。

キッチンカー開業に必要な資格その1.食品衛生責任者

キッチンカーを開業するときは、提供するメニューに関係なく「食品衛生責任者」の資格を取得しておく必要があります。食品衛生責任者とは、食品衛生法によって定められた全国共通の資格です。食品衛生法では、令和3年6月1日から営業許可施設ごとに資格取得者を置くことが義務付けられています。

営業許可施設にはキッチンカーも含まれており、1台のキッチンカーにつき1名の食品衛生責任者を置く義務があります。一度取得すれば全国で通用する資格のため、たとえば遠方のグルメイベントに出張参加する場合も改めて現地で取得する必要はありません。

取得する方法

食品衛生責任者の資格は、各都道府県で取得可能です。各都道府県の食品衛生協会が開催している「食品衛生責任者養成講習会」を受講すると、当日中に受講修了証が発行されます。

講習会は1日(計6時間)のみで終了し、具体的な内容は以下のとおりです。

・食品衛生学…2.5時間

・食品衛生学…3時間

・公衆衛生学…0.5時間

ちなみに大学で医学、薬学、歯学、畜産学、獣医学、農芸化学、水産学の課程を修めて卒業した方や、栄養士や調理師などの免許を取得している場合は、受講が免除されます。

更新期間

食品衛生責任者の資格は、有効期限がありません。そのため更新は不要ですが、資格取得者には常に新しい食品衛生に関する知識を吸収することが求められています。

数年に一度、実務講習会の受講も義務化されているため、定期的に新しい知識や実務講習会の情報を確認するようにしましょう。

受講にかかる費用

各都道府県の食品衛生協会が開催する「食品衛生責任者養成講習会」の費用は、およそ1万円です。厳密にいうと地域によって多少の差があり、たとえば東京と大阪では以下のとおりです。

・東京…12,000円

・大阪…10,500円

数年ごとに受講する実務講習会は、無料で受けられる地域もあります。地域の受講費がいくらなのか、事前に確認しておくことをおすすめします。

資格は全国共通

キッチンカーであれば、他府県で開催されているグルメイベントに出店したり、遠方へ出向いたりと、場所を変えて販売することができます。

食品衛生責任者の資格は、一度取得すれば全国で共通する資格のため、イベント出店などで他府県に出向いた際でも、改めて出店する地域で取得する必要はありません。

基本的には、取得している養成講習会修了証書を提示すれば出店できますが、手続きは各都道府県の食品衛生協会に確認しておきましょう。

キッチンカー開業に必要な資格その2.保健所の営業許可

飲食物を取り扱うため、キッチンカーも開業前に保健所の営業許可を得ておく必要があります。保健所の営業許可とは、保健所が定めた基準を満たすことで得られるものです。営業許可を得るためには、キッチンカーでの販売を予定している地域の保健所に申請してチェックを受けなくてはなりません。

保健所が定める基準は複数あり、取り扱う商品や販売方法などによって許可を取得しなければならない項目が異なります。例えば、大阪市では自動車営業(飲食店営業)という、車内で調理した飲食物を不特定多数に提供する業態の許可が必要です。

保健所が定める基準は複数あり、取り扱う商品や販売方法などによって許可を取得しなければならない項目が異なるため、事業に該当する項目を事前に確認しておきましょう。

取得する方法

保健所に申請してから営業を開始するまでの大まかな流れは、以下のとおりです。

1. 保健所に事前相談する

2. 申請書類を提出する

3. キッチンカーの検査日程を調整する

4. キッチンカーの検査を受ける

5. 合格後2週間ほどで許可証が発行される

6. 許可証を提示して営業スタート

申請書類の記入方法など複雑に感じる点もあるかと思いますが、不明点は保健所の担当者に聞きながら進められます。

事前に相談する

保健所へ急に申請を出すのではなく、事前に相談することをおすすめします。保健所ごとにこまかな条件や見解が異なるため、担当者からアドバイスをもらうことが重要です。

また、相談のタイミングはキッチンカーを購入、整備する前に行いましょう。設備も保健所が許可を出すかどうか判断する基準のひとつです。保健所の基準を知らないままキッチンカーを整備すると、許可が下りなくなるうえ、基準を満たすために再度整備を行わなくてはなりません。

再度整備の必要性が発生すれば、費用が二重にかかるうえ、オープン予定日が大幅にずれ込むデメリットもあります。

必要書類を提出する

保健所の営業許可を取得するのに必要な書類は、各地域によって異なります。必ず事前に、管轄の保健所に問い合わせて確認しておきましょう。参考までに、大阪市の必要書類を以下に記載します。

・営業許可申請書

・食品衛生責任者の資格を証明する書類(食品衛生責任者手帳等)

・営業の大要

・施設の構造及び設備を示す図面

・許可申請手数料

※大阪市で自動車営業(飲食店営業)を行う場合、上記に加えて自動車営業設備の概要、車内設備平面図、車検証の写し等が必要です。

キッチンカーの検査を受ける

申請を出したら、後日保健所の担当者によるキッチンカーの検査が行われます。衛生面など保健所の基準を満たしているかを確認された後、問題ないと判断されれば営業許可を取得できます。

キッチンカーの検査が行われるときは、営業者の立ち合いが必要です。キッチンカーがバンタイプか軽トラックタイプかで基準が異なる部分もあるため、事前相談の段階で担当者にこまかく確認しておきましょう。

更新期間

保健所から取得する営業許可の有効期限は、どの地域でも5年と定められています。期間満了日の1ヶ月前に更新手続きを行い、営業期間に穴が開かないように注意してください。

更新時は、設備が経年劣化で保健所の基準を満たさなくなっている可能性も考えられます。ある程度の改修費も視野に入れておく必要があります。

取得にかかる費用

地域によって多少の差がありますが、営業許可の取得や更新に費用がかかる点は同様です。目安としては15,000円程度を見ておきましょう。

たとえば大阪市の場合は令和3年現在、取得時の許可申請手数料が16,000円、更新手数料が12,800円と定められています。

チェックされる条件

保険所の営業許可を取得する際に、主にチェックされる条件は9つあります。事前にチェック項目を知っておき、申請前には十分に確認してから審査に挑みましょう。チェック項目がしっかりと整えられていれば、スムーズに審査が行われます。

・運転席と調理場所の仕切り

運転席と調理場所が完全に区切られていることが条件です。

・シンクの数と大きさ

保健所によっても異なりますが、基本的には手洗い用のシンクと調理用のシンクをそれぞれひとつ以上設置することが条件となります。シンクのサイズを指定している保健所もあるため、事前に確認しておきましょう。

・給水、排水タンクの容量

保健所によって基準となる容量が異なります。事前に確認しておくと安心です。

・床面、内壁の構造や材質

床や壁は、衛生面が保てる材質になっているかがチェックされます。防水や撥水性がある材質で、清掃や洗浄、消毒が容易にできる構造にしておきましょう。

・収納ケースや棚の設置

調理器具や食品などを、衛生的に保管できる収納ケースが設置されているかがチェックされます。蓋や扉が閉まるもので、異物や虫が入らないものが望ましいです。

・石鹸や消毒の設備

衛生の観点から消毒用アルコールや石鹸が常備されているかをチェックされます。

・換気設備

換気設備がないと営業許可がおりないことがほとんどです。換気設備の隙間から、ゴミや虫などが入らない工夫がされているかもチェックされます。

・ゴミ箱の設置

基準は各保健所によって異なりますが、蓋つきのゴミ箱を設置するのがおすすめです。

・冷蔵庫、冷凍庫の設置

食品を保管するために使う冷蔵庫や冷凍庫の設置と発電設備がチェックされます。

出店する都道府県ごとに許可が必要

保健所の営業許可は、出店する都道府県ごとに申請が必要です。保健所が定める基準は地域ごとに異なっており、たとえば大阪のキッチンカーが東京へ出張する場合は、改めて東京で営業許可の取得が求められます。また、複数のキッチンカーで営業する事業者は、車両ごとに取得します。

出店を予定している地域がある場合は、早めにその地域の保健所へ連絡をして相談しておきましょう。

仕込み場所の確認も必須

仕込みが必要なものを販売する場合は、保健所で許可を得た仕込み場所を確保しなければなりません。

仕込みに対する見解も各保健所で異なるため、仕込みに該当する工程と該当しない工程に差があります。

保健所へ相談する際は、仕込みに関してもあらかじめ確認しておくと安心です。キッチンカーの仕込み場所についての詳しい情報は、以下の記事をご参考ください。

キッチンカーの仕込み場所は?保健所で認められる場所の種類や準備

キッチンカー開業に必要な資格その3.運転免許証

キッチンカーは調理スペースやプロパンガスなどの設備がある分、特別な運転免許証が必要なのでは、と不安になっている方も多いでしょう。キッチンカーを開業するうえで知っておきたい運転免許証のルールは、大きく分けて2つあります。

普通免許でもキッチンカーは開業できる

キッチンカーを運転するうえで、特別な免許や資格は必要なく、普通免許を取得していれば運転可能です。ただし2007年以降に免許を取得した方は、運転できる車両の条件が変更されている点に注意してください。運転免許の取得時期で、以下のとおり運転できる車両の条件が異なっています。

・2007年6月1日までに取得している場合:8t未満

・2007年6月2日~2017年3月11日までに取得している場合:5t未満

・2017年3月12日以降に取得している場合:3.5t未満

キッチンカーは車両総重量が5トン未満で、最大積載量2トン以上3トン未満の車両が使用されています。2017年3月11日までに免許取得している方は普通免許のみで問題なく運転できますが、2017年3月12日以降に免許取得した方は準中型免許も必要です。

牽引タイプは車両総重量によって普通免許でも可

エンジンが非搭載の、いわゆる牽引タイプのキッチンカーの場合も、車両総重量によっては普通免許のみで移動できます。牽引する車両が750kg以下の場合は、牽引免許を改めて取得する必要はありません。

車両総重量が750kgを超えると牽引免許が必要となるため、キッチンカー用の車両を手配するときは注意しましょう。

開業に必要な資格と許可が揃ったら「出店場所」を確保しよう!

食品衛生責任者や免許証、保健所の営業許可を取得したら、次は出店場所の確保です。出店場所は、キッチンカーの売上を左右する、重要なポイントといえます。

自分で探して交渉する方法のほか、紹介業者に登録してサポートしてもらう方法もあります。

開業手続きや場所探しに悩んでいる方は、「HIRAKEL」にぜひご相談ください。

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まとめ

実店舗を構えるよりも手軽に開業できるキッチンカーですが、飲食物を取り扱う以上、実店舗と同じく資格や許可を得る必要があります。営業許可を得るための検査の中には、キッチンカーの設備もチェック項目に含まれます。管轄する地域の保健所で入念に事前相談をするなど、手続きを行う前の準備もしっかりと行いましょう。

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