
コンテナハウスは、倉庫や店舗だけでなく事務所としても活用できます。外観や内観を自分好みにカスタマイズしたいという方には、コンテナハウスがおすすめです。
コンテナハウスを事務所として使用するには、相応のコストがかかることや手続きが必要であることなど、知っておきたい点がいくつかあります。
そこで今回は、コンテナハウスを事務所として活用するメリット・デメリット、費用目安、注意点を紹介します。
目次
コンテナハウスは事務所として使用できる!5つのメリット
コンテナハウスを事務所として使用するメリットを5つ紹介します。
外観・内観をおしゃれなデザインにできる
コンテナハウスはカスタマイズ性が高く、外観や内観をおしゃれなデザインにできるのがメリットのひとつです。外壁をカラフルに塗装したり、シンプルでモダンなデザインにしたりと、アイデア次第で他にはない、オンリーワンの事務所を作れます。おしゃれなデザインにすることで、社員のモチベーションアップも期待できるでしょう。
移転できるタイプのものもある
通常、移転する際には事務所内のすべてのものを新しい事務所に運び入れたり、内装工事をしたりする必要があります。しかし、コンテナハウスの場合はコンテナごと輸送車で運べるタイプのものもあるため、内装をそのままにして移設できるのがメリットです。
新たに内装工事をする必要もないため、すぐに新しい場所で事務所として活用できます。
規模に合わせて増築できる
コンテナハウスには、「20フィート」「40フィート」といったサイズが決められています。しかし、コンテナの数を増やせば、横に並べたり二階建てにできたりするため、規模に合わせて増築できるのがメリットです。
ビジネスが成長するにつれて社員が増え、より多くの作業スペースやオフィススペースが必要になった場合には、コンテナの数を増やすと良いでしょう。反対に、規模の縮小に合わせてコンテナの数を減らすことも可能です。
耐久性、耐震性に優れている
建築用コンテナは住居や店舗などの建築物として使う前提で作られているため、輸送用コンテナと比べて耐久性・耐震性に優れているのが特徴です。
法定耐用年数は34年とされていますが、適切なメンテナンスを行えば実際にはそれ以上長期間使用できる場合もあります。
鉄骨造りの建築物よりコストが低い
価格の安さもコンテナハウスの大きなメリットです。建築コストの詳細は後述しますが、鉄骨造の建築物よりも安く建てられます。ただし、コンテナの数が多かったり、内装を豪華にしたりすると費用がかさむため注意が必要です。
事務所をコンテナハウスにする3つのデメリット
事務所をコンテナハウスにするメリットは多いものの、デメリットもあります。ここでは、3つのデメリットをご紹介します。
1.木造建築よりコストがかかる場合がある
コンテナハウスは安価なイメージをもたれがちですが、初期費用が木造建築を上回るケースも珍しくありません。工事を自分で行うか業者に依頼するかによっても費用が大きく異なりますので、まずは販売業者にきちんと確認しましょう。
2.メンテナンスが必要
コンテナハウスを長く利用するためには、一般的な住宅と同様に定期的なメンテナンスが欠かせません。メンテナンスは主に、防錆メンテナンスやシロアリ対策、雨漏り対策、シーリング対策(防水対策)などがあげられます。特にコンテナハウスはサビやすく、定期的な防錆メンテナンスが欠かせません。
防錆メンテナンスは、おおよそ3年〜5年に一度を目安に行います。外壁や屋根を確認し、塗装が剥げていないか、錆が始まっていないかなどを点検します。発生したサビは広がりやすいため、早期発見が重要です。
3.立地によっては持ち運びが難しい
コンテナハウスは移転しやすいメリットがありますが、立地によっては持ち運びが難しい場合もあります。コンテナハウスの設置場所や、設置場所に向かうまでの過程で輸送車が入れない道がある場合は移転ができません。またコンテナハウスを設置するにあたり、平坦な地形であることも条件です。
コンテナハウスを事務所にする際に押さえておきたいこと
ここでは、コンテナハウスを事務所にする際に知っておきたいことや注意点を6つ紹介します。
建築用コンテナと輸送用コンテナがある
コンテナハウスには建築用と輸送用があり、事務所として使用する場合には、日本の建築基準法の条件を満たした建築用のコンテナを使用する必要があります。輸送用のコンテナが建築物として認められていない理由は、以下の2つです。
・ドアや窓などの開口部を作る際に強度が落ちる
・JIS規格に適合する鋼材が使用されていない
建築基準法を守っていないコンテナを使用した場合は、ペナルティが課せられる場合もあるため注意しましょう。
中古のコンテナは建築基準法に注意
事務所の建築費用を抑えるために、中古のコンテナに目をつける方も多くいますが、建築基準法に違反していないか注意が必要です。前述したようにコンテナには建築用と輸送用があり、市場でよく出回る中古のコンテナはISO海上輸送用コンテナであり、建築確認申請を通すのが難しいとされています。
ISO海上輸送用コンテナでも、建築基準法をクリアするために補修や施工をすれば、建築物として認められる場合もあるでしょう。しかし、新品のコンテナを建築するよりもかえって高くなる可能性があります。
基礎工事が必要
コンテナハウスは、ただ設置すれば良いわけではありません。コンテナハウスは建築基準法に従って、地盤の強度を高める「基礎工事」が必要です。地盤が脆いと災害の際に地盤が崩れ、コンテナハウスが沈下したり傾いたりする可能性があります。
引っ越しの際にはライフラインをすべて外す必要がある
コンテナハウスを引っ越しする際には、水道や電気、ガスなどのライフラインを撤去し、引っ越し先で再びライフラインを確保する必要があります。また基礎工事も行う必要があるため、それなりの手間やコストがかかる点を考慮しておきましょう。
建築確認申請が必要
コンテナハウスは建築基準法において一般的な建築物とみなされるため、原則として建築確認申請が必要です。
適切な手続きを踏まずにコンテナハウスを設置すると、違法建築物として行政指導や刑事罰の対象になるおそれがあります。
固定資産税がかかる
コンテナハウスは固定建築物であるため、固定資産税の対象になります。コンテナハウスを設置している土地が自分の所有している資産であれば、土地にも固定資産税がかかる点を押さえておきましょう。地域によっては都市計画税がかかる場合もあります。
ただし、コンテナハウスがすぐに移動できる状態であれば、固定資産税はかかりません。例えば、車両のついたコンテナ型トレーラーの場合は建築物ではないため、固定資産税の対象外となります。
コンテナハウスを事務所として活用する場合の費用目安
コンテナハウスを事務所として使用する際の費用は、サイズや内外装のデザインによって変わります。ここではコンテナハウスにかかる費用の目安を、項目別に紹介します。
コンテナハウス本体
新品のコンテナハウス本体の費用目安は、次の通りです。
サイズ | 費用目安 |
20フィートサイズ | 約90万円 |
40フィートサイズ | 約200万円 |
中古のコンテナハウスであれば、新品の20フィートサイズのコンテナハウスよりも安く購入できる可能性があります。
サイズ | 費用目安 |
20フィートサイズ | 約20万円 |
40フィートサイズ | 約30万円 |
ただし、中古のコンテナは建築用として設計されていなかったり、劣化が激しかったりすることがあります。建築基準法に適合するように工事したり、劣化部分を修理したりすると、新品のコンテナハウスを購入するよりも費用が高くなる場合があるため注意しましょう。
輸送費
コンテナハウスは現地で組み立てるのではなく、工場で組み立て、箱型の完成形の状態で設置場所まで運びます。輸送費の費用目安は次の通りです。
サイズ | 費用目安 |
20フィートサイズ | 約4万円~18万円 |
40フィートサイズ | 約7万円~30万円 |
改装費
コンテナハウスを事務所として使うには、外装・内装工事が必要です。
・外装工事:外壁塗装、開口部(ドアや窓)の補強、断熱処理、サビ防止処理など
・内装工事:天井材・壁材・床材の設置、クロス貼りなど
また、必要に応じてエアコンの設置や照明の設置といったオプションを付けることもあります。これらの費用目安は以下の通りです。
工事内容 | 費用目安 |
外装 | 約8万円~10万円 |
内装 | 約50万円~100万円/坪 |
オプション | 約100万円~200万円 |
デザインや使用する材料、数などによって大きく金額が変動するため、予算と照らし合わせながら調整しましょう。
工事費
コンテナハウスを設置する際には、基礎工事・電気工事・給排水設備工事なども必要です。これらの工事にかかる費用目安は次の通りです。
工事内容 | 費用目安 |
基礎工事 | 約1万円/1フィート |
電気工事 | 約10万円~15万円 |
給排水設備工事 | 約200万円~300万円 |
コンテナハウスの設置場所や依頼する業者によって費用が変動するため、事前に見積もりを取り、どれくらいの費用が発生するかをよく確認しましょう。
建設業許可申請費用
建設業許可申請費用の目安は、20万円~50万円程度です。依頼する建築士によって費用が変動するため、こちらも事前に確認しておきましょう。
ただし、地域によっては別途許可が必要となる場合もあるため、コンテナハウスの設置場所の自治体に確認してみてください。
コンテナハウス以外の方法もひとつの手!
コンテナハウスでの開業は建築確認が必要だったり、基礎工事が必要だったりと、それなりの手間やコストがかかります。コンテナハウス以外にも手段はいくつかあり、ここでは、コンテナハウス以外の商品をご紹介します。なお、以下の商品は「HIRAKEL」で安くレンタルできますのでぜひご利用ください。
コンテナ型店舗
コンテナ型店舗は、コンテナハウスのような見た目をした店舗です。HIRAKELレンタルで提供しているモバイルコンテナは車輪が付いており、移動可能なため基本的には建築確認が要りません。レンタル料金は1日間レンタルで49,500円(税込)です。
また、オリジナルのコンテナハウスを持ちたい方には、HIRAKELオーダーがおすすめです。
まとめ
コンテナハウスは事務所として活用でき、外観や内観を自由にカスタマイズできるなどのメリットがあります。また、増築できたり、移転できたりするため、柔軟性が高い点も魅力です。ただし、コンテナハウスは建築物であることから基礎工事や建築確認が必要で、相応のコストがかかる点には注意しましょう。