意外と知らない屋台の歴史解説

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1.屋台の歴史

 屋台の歴史は古く、日本各地に古くからある屋台は、長崎県長崎市や福岡県福岡市、久留米市、北九州市、山口県周南市、広島県呉市、高知県高知市等があげられます。屋台そのものは江戸時代末期に江戸・京都・大阪等の大都市にすし・てんぷら等の食べ物店として戦前から存在していました。

 しかし、現存する屋台の多くは戦後のヤミ市から生じたと言われています。第二次世界大戦後、空襲等により店舗が無くなった方や戦後の騒乱により仕事に就けない方が空き地にバラックを建てて違法店舗を営んでいたそうです。ヤミ市には、数々の屋台が立ち並び、人々の食を支えていたそうです。その後、扱う食べ物も多種多様になり、おでん、焼き鳥、ラーメン、石焼き芋、縁日の綿菓子、カルメラ、焼きそば等を提供する屋台が現れました。

 ところが、1949(昭和24)年、屋台の衛生面を問題視したGHQの指示を受け、厚生省が屋台を次第に減らしていく方針を示しました(「所謂『露店飲食営業者』の取扱について」(1949(昭和24年)6月15日衛発第635号通知))。さらに、1955(昭和30)年8月には「いわゆる『露店飲食店営業者』に対する措置について」(1955(昭和30)年8月25日、発衛第292号)が各都道府県知事宛てに厚生事務次官通知として発出されました。

 これは、1949(昭和24)年の屋台を減少させていく方針を謳った通知を廃止するが以下のように記載されていました。「従来の露店飲食店の漸減方針については現実の露店営業の実態に即応しない感もあり、無許可営業者が却って漸次増加する傾向に鑑み、都道府県知事は、現在の規則、許可の方法等につき再検討を加えて公衆衛生上支障のない限度において所要の措置を講じること」と記されており、ようするに無許可営業者が増えてきたので、許可を得て営業している人を把握し、無許可営業者を無くすとともに衛生面の許可条件の基準の維持を図るように各都道府県に要請したと考えられます。ここで屋台で提供する食品に制限が加えられ、生ものを基本的に提供しない方針が取られることとなりました。この制限は今でも屋台営業の許可基準に反映されています。

 その後は、各都道府県の警察や地方自治体とのやり取りにより、屋台の盛衰が影響されつつ、高度経済成長期を経て国民生活が豊かになるにつれて、屋台は自然と全国的に減少していきました。

2.国内にある屋台と近年の屋台動向

現在、古くからあるまとまった屋台出店場所は国内に数カ所あります。福岡県福岡市の屋台は特に有名です。福岡県にはその他にも、北九州市や久留米市にも屋台があります。屋台から創業した有名なラーメン店も九州ではよく耳にします。その他にも広島県呉市にある蔵本通り沿いの屋台、高知県高知市の屋台も餃子が有名です。しかし、昔ながらの屋台も地域によっては高齢化や条例により件数が減っていってる状況があります。

 ただ、屋台は日本人にとって大いに親しみがあると言えるでしょう。近年では屋台をコンセプトに掲げて集客の目玉とする飲食店街が全国各地で増えてきています。北海道帯広市の「いぬき通り 北の屋台」や鹿児島県鹿児島市の「かごっまふるさと屋台村」、福井県あわら市の「あわら温泉屋台村「湯けむり横丁」」等が地方の観光名所になっているそうです。 これらの屋台街は、いわゆる手押しの移動式屋台ではなく、常設設置された半屋外席がある等、屋台風な飲食店になっていて、快適で気軽に飲食を楽しめるようになっているようです。まちの居酒屋でも屋台の赤ちょうちんをデザインした居酒屋が多く見受けられ、形が変わっても屋台という文化は受け継がれているように思えます。

3.現在の屋台に必要な許可

現在、屋台で飲食店営業を行うためには、営業を行う場所の所管である保健所へ飲食店営業許可を申請し許可証を取得する必要があります。

 その他にも深夜0時以降に主に酒類を販売する場合は、所管の警察署の許可が必要になることや、場所によっては、消防署へ届出を提出する場合等があります。

 よく事前に協議が必要になる前述した飲食店営業許可についての許可基準(施設基準)は、都道府県が条例で、業種別に公衆衛生の見地から必要な基準を定めることになっている(食品衛生法51条)ため、屋台での提供可能メニューを制限する基準となっています。

 おおよそ全国の保健所での提供可能メニューの基準は、お客さまへの提供直前に加熱している商品を認める方針となっているようです。

 意外と知られてないかもしれませんが屋台を営業する場所に関しては、公園や道路敷地で実施する場合、公園管理者や所管の警察署から許可を取得する必要があります。ただ、基本的に公有地での飲食店の営業に関しては、公共の場所での特定の人や企業の営利目的となるため、許可が非常に下りにくいのが現状です。公有地での屋台営業が条例や市長によって認められている場合は、公園敷地であれば公園使用許可および使用料等が、道路敷地であれば道路使用・占用許可および使用料等が必要となることがあります。

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