
キッチンカーの開業を考えている方にとって「キッチンカーを譲ります」との中古車情報は、初期費用を抑えて始めやすい方法です。
しかし、個人間での譲渡や中古購入では、購入後に「こんなはずではなかった」と後悔するケースも少なくありません。
今回は、「譲ります」情報に潜むリスクや購入前のチェックポイント、さらに低コストでキッチンカーの出店をする方法を解説します。
目次
「キッチンカー譲ります」の情報は安全?注意すべきリスク

中古のキッチンカーを譲り受ける場合、設備が整っていれば準備の手間や費用を抑え、短期間で開業できます。
しかし、個人間での取引には注意が必要です。車両や整備の状態が不十分だったり、名義変更や書類の不備があったりすると、思わぬ修理費や手続きが発生し、結果的に高くつくこともあります。
また、設備が保健所の基準を満たさず、営業許可が取得できない可能性もあります。
リスクを避けるためには、車両情報や整備履歴、書類関係を必ず確認し、口約束ではなく書面での取引が大切です。
安さだけで判断せず、安全性と信頼性を確かめながら検討しましょう。
譲渡・中古キッチンカー購入時のチェックポイント

譲渡や中古車購入は費用を抑えやすい反面、事前確認が不十分だと営業できない車両を購入したり、修繕費が膨らんだりするおそれがあります。
見た目だけで判断せず、次のポイントを確認して安全に取引しましょう。
整備記録が残っている
中古キッチンカーを選ぶうえで重要なのが、整備記録の有無です。整備記録簿を確認し、エンジンや厨房設備、オイル交換などの点検履歴を確認し、定期的にメンテナンスされた車両かを判断しましょう。
整備履歴がない車両は、故障リスクや追加費用の発生につながる可能性があります。
また、キッチンカーの製造元も併せて確認しましょう。キッチンカー専門の制作会社であれば、構造・安全・設備の面で基準を満たしている可能性が高いため、より安心です。
譲渡や中古車を購入するときは、整備記録と製造元を確認し、信頼できる1台を見極めましょう。
車検証が「8ナンバー(加工車)」である
中古キッチンカーを購入する場合、車検証が「8ナンバー(加工車)」の特種用途車を選ぶと安心です。ただし、「8ナンバーだから厨房設備が備わっている」わけではありません。
8ナンバーは特殊用途車を示す区分であり、用途や装備は車両ごとに異なります。車検証の「用途欄」と実際の設備の両方を確認する必要があります。一般的には、8ナンバー(加工車・移動販売車)登録の車両はキッチンカー向けの設備が整っていることが多く、構造変更の手間が少ない点がメリットです。
一方、「4ナンバー」は貨物用途のため、キッチンカーにするには追加の設備や構造変更が必要になる場合があります。ナンバー区分によって出店エリアが変わることはありませんが、準備の手間や費用は4ナンバーのほうが増えやすいと理解しておきましょう。
購入前に車検証を確認し、名義変更や用途変更が必要かを把握しておくと、開業手続きがスムーズです。
厨房設備が営業許可の基準を満たしている
購入を考えているキッチンカーの厨房設備が、出店予定地域の保健所が定める営業許可基準を満たしているかの確認が必要です。
中古キッチンカーのなかには、営業許可基準を満たしていない車両もあります。
営業許可基準を満たしていない場合、追加の設備工事が必要となり、想定以上の費用が発生する可能性があります。
余分な費用がかからないよう、事前に営業予定地の保健所に確認し、シンクの数とサイズ、給排水タンク容量、換気設備、冷蔵設備など、条件に合った車両かどうかをチェックしましょう。
また、希望のキッチンカーが営業許可基準に満たしていない場合は、車両価格だけでなく、設備設置費用も含めた総額で検討してください。
年式・車種・走行距離から相場を確認する
中古キッチンカーの価格は、年式・車種・走行距離・設備状態によって異なります。
購入前に中古キッチンカーの相場を、複数の販売店や専門業者の情報を比較し、相場感をつかみましょう。一般的な相場の目安は下記のとおりです。
| 中古キッチンカーの相場 | |
| 車両の種類 | 価格 |
| 軽トラック | 100万円~300万円 |
| 普通車1tトラック | 200万円~500万円 |
相場より極端に安い場合は、整備不良や改装前提の可能性があります。信頼できる販売元で、価格が適正か確認しましょう。
「キッチンカー譲ります」から取引する業者選びのヒント

中古キッチンカーの購入では、業者選びが重要なポイントです。特に初めての場合、個人間取引よりもキッチンカーの専門事業者を選ぶ方がトラブルを避けやすく、スムーズに準備を進められます。
キッチンカーの専門事業者なら、営業許可取得に必要な設備・備品の知識があり、実際に開業できる仕様の車両を扱っている可能性が高くなります。
また、現車確認や契約書面の提示も期待できるため、リスクを抑えて検討できるでしょう。
保証制度やアフターサポートも充実している事業者なら、購入後の整備の調整や修理が必要な際にも頼りになります。
中古車以外の方法も視野に入れて検討しよう

価格を抑えるために中古キッチンカーの購入は魅力的な手段ですが、開業手段はそれだけではありません。目的や予算に応じて、ほかの選択肢も比較しながら検討しましょう。
レンタルやリースを検討する
キッチンカーの購入に不安がある場合は、レンタルやリースを検討しましょう。
レンタルは短期イベントやお試し出店をしたい方向けで、契約期間の自由度が高いのが特徴です。
対して、リースは月額制で初期費用が不要なため、長期運営を視野に入れつつ初期投資を抑えたい方に適しています。
レンタルやリースだと、業者によってはメンテナンスや故障対応が含まれるプランもあり、初心者でも安心して始められます。
レンタルとリースの違いについて詳しく知りたい方は、以下の記事も併せてご覧ください。
屋台形式の低コスト出店を検討する
テントや露店などの車両を使用しない屋台形式は、キッチンカーよりも低コストで始められます。
調理を必要としない商品を扱う場合であれば、テントや露店などの簡易スタイルでの出店が可能です。車両を用意する必要がないため、初期費用を大幅に抑えられます。
まずは小規模な出店で経験を積み、売れるメニューやオペレーションを確立してから、キッチンカーへ切り替えていくスタイルも効果的です。
キッチンカーと屋台の違いやそれぞれの特徴について詳しく知りたい方は、以下の記事も併せてご覧ください。
まとめ

「キッチンカー譲ります」といった中古車情報を活用すれば、手ごろな費用で挑戦しやすくなります。
しかし、整備記録や設備などを確認せずに購入すると、営業できなかったり修理費が想定以上にかかったりと、思わぬリスクが生じる場合があります。
「いきなり中古車を購入するのは不安」「まずは小さく始めたい」と考えるなら、屋台やコンテナハウスでスモールスタートするのもよいでしょう。
「HIRAKEL」ではコンテナ型屋台の相談にも対応しています。納品までは最短約2ヶ月で、出店時期の予定を立てやすいのも特徴です。また、用途や業種に合わせたカスタマイズも可能で、理想の形に近い店舗づくりをサポートします。

