店舗開業を成功させるためには、開業資金だけでなく運転資金の準備が不可欠です。今回は、運転資金の基本知識から業種別の目安、調達方法、そして資金を抑える具体的な方法まで詳しく解説します。
目次
運転資金とは
店舗を開業するには、大きく分けて開業資金と運転資金が必要になります。運転資金とは、日々の事業を継続するために必要な資金を指します。
具体的には、仕入れ代金、人件費、家賃、水道光熱費などの支払いに使用する資金です。運転資金が不足すると、仕入れができなくなったり、従業員に給料を支払えなくなったりと運営に支障をきたす可能性があります。
開業当初は売上が安定しないため、十分な運転資金を準備しておくことが事業継続の鍵となります。
飲食店における運転資金の内訳
ここでは、イメージしやすいように一般的な例として飲食店における運転資金の内訳を解説します。
固定費
固定費は売上と連動しない費用です。固定費の割合が大きいと、収入が減った月の負担が増えるため、安定した売上を毎月確保しなければ事業の継続が困難になります。
主な固定費は、次の通りです。
・物件賃貸料
・人件費
・水道光熱費
・支払利息
・減価償却費
・リース料
流動費
売上と連動している費用です。売上が増加するほど費用も高額になり、売上が少なくなれば同じく費用も減ります。
主な流動費には次のようなものがあります。
・原材料費
・仕入原価
・販売手数料
・消耗品費
運転資金は何か月分確保するべき?
一般的には月商の3か月分程度を確保することが推奨されています。ただし、業種にもよりますが、事業を軌道に乗せるには6か月程度の運転資金を確保するのが理想的です。
開業時に運転資金として借入できる金額は売上高の3か月分ほどに留まることが多いため、自己資金での準備も必要になります。日本政策金融公庫(国民生活事業)の創業融資においても、運転資金としての融資可能額は月商の3か月から6か月分ほどとされています。
また、定期的に必要運転資金を見直すことが経営の安定につながります。事業が軌道に乗った後も、季節変動や市場環境の変化に応じて適切な運転資金を維持することが重要です。
【業種別】運転資金の内訳と費用目安
個人での開業が多い、飲食、パーソナルトレーニングジム、美容院、ネイルサロンの運転資金の目安を解説しましょう。
飲食店
定食、ラーメン、カフェ、パン、バー、ハンバーガー、居酒屋などの飲食店の運転資金の目安は150万円程度です。飲食店は食材の仕入れが頻繁で、季節や天候による売上変動も大きいため、十分な運転資金の確保が特に重要です。
パーソナルジム
パーソナルジムの運転資金の目安は、50万円~100万円程度です。ジムの規模や使用するトレーニング機器、トレーナーの雇用の有無などによって大きく変動します。
美容院・理容室
美容室の創業時に必要な運転資金の平均は約100万円~200万円です。美容室は技術者の人件費が大きな割合を占めるため、安定した顧客基盤を築くまでの期間を想定した資金計画が重要です。シャンプーやカラー剤、タオルといった消耗品費も必要になります。
ネイルサロン
ネイルサロンの運転資金の目安は、150万円~200万円程度です。ネイリストの雇用の有無によって大きく変動するほか、ネイル機器の使用にかかる光熱費、さらにジェルや消毒液といった施術時の材料費も考慮する必要があります。
運転資金の調達方法
運転資金の調達方法には、さまざまな種類があります。それぞれの特徴を理解して、自社に適した方法を選択することが重要です。
日本政策金融公庫
日本政策金融公庫は、中小企業・小規模事業者・創業企業の経営安定や成長支援を目的として設立された金融機関です。条件を満たせば無担保・無保証人で融資を受けられます。
ただし審査があり、融資を受けられるまで3週間~1か月程度時間がかかるため、余裕をもって申し込むことが大切です。
民間の金融機関
銀行融資のメリットは金利が比較的安く、長期的な借り入れにも対応していることです。ただし、必要な書類も多いため、融資を受けるまでに時間と労力がかかります。
信用金庫は小規模事業者に融資してくれる可能性が高いため、地域の信用金庫への相談も検討してみましょう。
保証協会の保証付き融資
信用保証協会が金融機関との間に入って、企業の債務に保証を付けてくれる制度です。保証があることで、金融機関からの融資を受けやすくなります。
ノンバンク
ノンバンクが提供するビジネスローンは銀行融資と比べて審査がスピーディーで、柔軟な対応が可能な場合が多いため、運転資金の調達にも活用できます。
最短でその日のうちに融資を受けられるメリットがありますが、金利は高めなので、返済計画をしっかりと立てることが大切です。
補助金・助成金
助成金・補助金の活用は、企業が国や地方自治体から資金的支援を受ける方法です。返済不要な資金として、運転資金の一部に充当できる点が魅力です。
クラウドファンディング
不特定多数の人から少額ずつ資金を集める方法です。クラウドファンディングは支援者の募集によって、自社の商品やサービスのテストマーケティングを兼ねることができます。
ただし、目標金額を達成できない場合、資金調達ができないリスクがあります。
運転資金を抑える方法
運転資金を抑えるには、以下の方法を検討しましょう。
在庫管理の最適化
食材の使用頻度や賞味期限を考慮し、無駄のない最小限の在庫を維持することが大切です。適切な仕入れ計画を立てることで、過剰在庫による資金の圧迫を防げます。
支払サイトと回収サイトの見直し
仕入先との交渉で支払サイト(支払期日)を延ばすことで、資金繰りを改善できます。仕入れ代金の支払い猶予期間を適切に管理することが重要です。
また、売上債権の回収を早めることも効果的です。顧客からの入金はできるだけ早く回収し、決済代行会社との契約を見直して入金サイクルを短縮しましょう。
経費削減
固定費(家賃、人件費など)の見直しと、変動費(仕入れ、外注費など)の最適化を行います。業務効率化によるコスト削減や、省エネ設備の導入など、長期的な視点での経費削減も検討しましょう。
資金調達方法の検討
日本政策金融公庫など、低金利の融資先を検討することが重要です。信用保証協会の保証を利用したり、補助金や助成金を活用したりすることで、資金調達コストを抑えることができます。
まとめ
運転資金の準備は、店舗開業の成功を左右する重要な要素です。業種に応じた適切な資金計画を立て、複数の調達方法を組み合わせることで、安定した事業運営が可能になります。
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