
近年、キッチンカーが注目を集めています。新たに開業へ挑戦する方がいる一方で、思うように売上が伸びず、廃業するオーナーも少なくありません。
キッチンカーを成功させるには、開業前の準備と開業後に実践すべきポイントがあります。
今回は、キッチンカー開業のメリット・デメリット、成功へつなげる方法、開業後に実践すべきポイントについて解説します。
目次
キッチンカーとは

キッチンカーは、車両の中で調理を行い、できたての料理を提供する移動式の販売車です。フードトラックやイベントの屋台として、さまざまな場所で営業しています。
キッチンカーとよく似たものに移動販売車がありますが、この2つには明確な違いがあります。一番の違いは「車内で調理をするかどうか」です。キッチンカーは車内で調理や加工をして、できたての商品を提供します。一方、移動販売車は、あらかじめ製造・加工された商品を販売するための車両です。
営業スタイルも大きく異なります。イベントやフェス、商業施設の軒先などに出店するキッチンカーに対し、移動販売車は決まったルートを回る営業が中心です。
また、営業に必要な許可も違います。キッチンカーは「飲食店の営業許可」が必要ですが、加工済みの商品を販売する移動販売車は、この許可を必要としません。
キッチンカー開業のメリット

キッチンカー開業は、実店舗型の飲食店とは異なる、さまざまなメリットがあります。ここでは、キッチンカー開業のメリットを4つ紹介します。
低コストで開業・営業できる
店舗型飲食店の場合、物件の取得費や家賃、保証金、内装費、設備費などで初期費用が1,500万円ほど必要になるのが一般的です。
一方、キッチンカーの開業資金は300万円程度と、実店舗に比べて大幅に費用を抑えられます。
また、飲食店は開業後も毎月の家賃が発生しますが、キッチンカーは出店料のみで済むため、ランニングコストも低く抑えやすい点が特徴です。
初期費用と運営費の両方を軽減できるため、負担を抑えつつ飲食業に挑戦できます。
エリアと営業スタイルを自由に設定できる
店舗型飲食店は立地に縛られますが、キッチンカーは移動可能です。
競合の少ない場所を選んで販売したり、イベント会場やオフィス街など人が集まる場所に出店したりできます。メニューを地域や時間帯に合わせて変えると、幅広いニーズに対応可能です。
また、曜日ごとに出店場所を固定すれば常連客がつき、売上の予測もしやすくなります。
このように、営業場所や時間を柔軟に選べることは、売上アップとリスク分散の両面で大きなメリットです。
柔軟にメニューや業態を変更できる
キッチンカーは、時間帯やニーズに合わせてメニューや業態を柔軟に変えられるのが特徴です。
例えば、昼はオフィス街でお弁当を販売し、夜はイベントでお酒やおつまみを提供できます。季節やトレンドに合わせてメニューを見直せば、常に新しい魅力を提供できます。
現在のメニューや業態がうまくいかなくても、すぐに別のスタイルへ切り替え可能です。出店場所やターゲット層に応じて最適な形に変えられる柔軟さが、安定した運営や売り上げの維持につながります。
一人で始められる
キッチンカーは一人でも始められるビジネスです。忙しい週末やイベント時だけアルバイトを雇えるため、人件費を抑えられるのもメリットです。
ただし、一人でスムーズに美味しい料理を提供できるかが成功の鍵となるため、効率的なオペレーションの構築が欠かせません。また、自営業である以上、体調不良や不測の事態に備えた準備も必要です。
キッチンカー開業のデメリット

キッチンカー開業は、初期費用の負担が少なく自由な働き方ができる一方で、開業にはデメリットもあります。
ここでは、代表的な3つを紹介します。
作業スペースが限定される
キッチンカーは調理スペースが限られているため、仕込みや調理がしにくいのが難点です。作業効率を上げるには、道具や食材の配置を工夫する必要があります。
また、冷蔵庫の食材が冷えるのに時間がかかるなど、予期せぬトラブルが起こる場合もあります。こうした事態を想定し、あらかじめ備えておけば安心です。
営業許可を取得しないといけない
キッチンカーの営業には、保健所が定めた衛生基準を満たし、営業許可を取得する必要があります。
許可は出店場所を管轄する保健所で申請する必要があります。複数の地域で営業する場合、それぞれの保健所で許可を求められるケースが一般的です。
ただし、東京都のように、1回の許可で都内全域に対応できる場合もあります。出店予定地のルールを、事前に確認しておきましょう。
出店場所を探さないといけない
キッチンカーは、どこで営業するかによって収益が大きく変わります。道路での無許可営業はできず、ビジネス街ならビルのオーナーの許可を得る必要があります。人通りが少ない場所では、売り上げを伸ばすのは難しいでしょう。
一方で、出店料が高くても集客力のあるエリアを選べば、安定した収益につながり、経営の安定性も高まります。また、ほかのキッチンカー事業者と情報交換し、横のつながりを作るのも効果的です。新しい出店場所が見つかり、収益アップにつながる可能性もあります。
キッチンカーを開業するまでの流れも把握しておこう!

キッチンカーを開業するときは、大まかな流れを把握しておくとスムーズに準備を進められます。
ここでは、キッチンカー開業までの流れを4つのステップで解説します。
ステップ1|計画を立て資金の準備をする
まずは事業計画を策定し、開業資金を準備します。開業資金がいくら必要なのかは、コンセプトやメニュー、必要な設備、人件費の有無などを考慮して算出しましょう。
事業が軌道に乗るまでは、経営者自身の収入が不安定になる可能性も考えられます。開業直後の売上が伸び悩んでも支障がないよう、生活費の確保が大切です。
余計な経費を抑えるためには、自己資金のみでの開業が理想的です。難しい場合は、融資の活用も検討しましょう。
ステップ2|キッチンカーを準備する
事業の軸となる、キッチンカーを調達します。取り扱いメニューや出店場所のイメージをもとに、必要なキッチンカーのタイプや設備を考えて予算を決めましょう。
キッチンカーは、必ずしも新車である必要はありません。費用を抑えたい場合は、中古車の購入やレンタルの検討もしましょう。
ステップ3|出店場所を確保する
出店したい場所を探して、管理者やオーナーと交渉します。キッチンカーの出店料や売上は、場所次第で大きく変わります。
例えば、人が多く集まる場所でも、取り扱う商品と客層がマッチしていないと、売上につながりません。どのような方が集まる場所なのかを事前調査してから慎重に出店場所を決めましょう。
ステップ4|資格や営業許可を取る
キッチンカーの開業には、食品衛生責任者資格や営業許可の取得が必要です。食品衛生責任者資格は、各都道府県の食品衛生協会が開催する「食品衛生責任者養成講習会」に参加すれば取得できます。営業許可は、出店する地域を管轄する保健所で手続き・取得します。
営業許可の申請をする前に、仕込み場所の条件を確認しましょう。仕込み場所の営業許可が必要なのか都道府県ごとに条件が異なります。
ただし、キッチンカーで調理しない(販売のみ)場合は、食品販売業として営業届出を行えば、飲食店営業許可なしでも出店できる場合があります。
キッチンカー開業後に実践すべきこと

キッチンカーで廃業せずに長く営業し続けるためには、次の2つを実践する必要があります。
調査を行う
キッチンカーで飲食店を経営している方は、開業前に良さそうな営業場所などをリサーチしています。しかし、開業後にもリサーチを続けている方はそう多くありません。
そのため、開業前に分かった情報をもとに営業を続ける結果になり、新しい情報が取り入れられないため、うまく集客できず廃業してしまうケースもあります。
効率良く集客してキッチンカーの営業を続けていくには、継続的なリサーチが重要です。効果的な集客方法・流行しているメニュー・人が集まる場所などには、常にアンテナを張り巡らせておきましょう。特に人が集まる場所は、日によって変わる場合もあるので注目してください。
新しい情報をいち早く取り入れると、安定した売上を確保し、廃業を防止できます。
アドバイスを受ける
自分の好きなようにお店を経営したくて、キッチンカーで開業した方も多いのではないでしょうか。しかし、やりたい作業だけをやって経営していたのでは、なかなかうまくいきません。自分のやり方にこだわりすぎて、廃業に追い込まれる方も多々います。
廃業しないためには、成功している方のアドバイスを積極的に受けるようにしましょう。成功している方やプロのアドバイスを受ければ、新しい知識や発見を得られるはずです。
自分のまわりにアドバイスをしてくれる方がいない場合には、セミナーや相談会などを受講する方法もあります。
そして、学んだ内容を実践し取り入れ、売上アップにつなげられるよう努めましょう。
同業者や団体とのつながりを築く
キッチンカービジネスの成功には、情報収集が欠かせません。
同業者や関連団体と積極的に交流し、つながりを持つ姿勢が大切です。出店マッチングサイトを活用したり、地元の異業種交流会に参加したりするのもよいでしょう。
さらに、地元の飲食店やイベント主催者と協力して共同イベントやキャンペーンを開催すれば、集客効果を高められる可能性があります。
まとめ

キッチンカーの開業は、事前調査や準備を怠ると、1年ほどで撤退せざるを得ないケースも少なくありません。
キッチンカーに限らず、飲食店経営は料理のおいしさだけでは継続が難しく、時代のニーズや出店場所との相性など、あらかじめ調べておくべき要素が数多くあります。
もっと手軽に開業を試したいと考える方には、コンテナ型店舗「HIRAKEL」も有効な選択肢のです。「HIRAKEL」は、設営や移動が簡単で、キッチンカーよりもコストを抑えて利用できるため、小規模な飲食店やイベント出店に適しています。
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